吉本産業の素材開発
当社が創業した当時(1976年)の人工大理石は外国製品が主流であり、物性や品質も基準に達しないようなものが流通しているというような状況。原料そのものよりも、ひとつの型に原料を注いで成形する生産方式にコストがかかるため、製品化された人工大理石は高価なものとなってしまい、なかなか一般には普及しにくい素材でした。
そこで生産方式を大量生産が可能となるプレス成法を選択できるような人工大理石素材の開発を目指したのがはじまりです。
日本のユーザーの使用環境に耐えられるような品質基準を達成し、できるだけコストをおさえ、多くのユーザーに快適に使用していただきたいという想いを実現するために、原料の研究から徹底して行い、プレス成形に適した原料の配合や混練技術を独自改良することで開発に成功。物性や品質を良くするために原料そのもののコストは少しかかってしまうものの、プレス成形で大量に製造することが可能になったため最終コストを抑えることができました。
その素材が、現在日本の大手住設メーカーのキッチンに採用される人工大理石の約75%が当社の開発したBMC系人工大理石です。新型コロナウィルスが蔓延してから日々当たり前に使用するようになったエタノールなどの消毒液に侵されることなく安心して使用できるので、現在当社のBMC系人工大理石の製品に対してのリクエストが非常に増えております。
これからも様々な使用環境を想定し、「使う人にやさしい」をコンセプトに素材開発をおこなってまいります。